僕らも「真夜中の虹」のように希望を持って”南”へむかおう

あの頃(1989年頃)はちょうど、カナダから帰ってきたばっかりで、何かを埋めるかのように映画を観まくっていた。
一日三館のハシゴなんていうのもやったな。
僕のベストは、「冬冬の夏休み」(侯孝賢)、「コックと泥棒、その妻と愛人」(グリナウェイ)、そして「真夜中の虹」(カウリスマキ)をハシゴしたあの日だ。

どれも素敵な映画だったけど、その三作の中で最も印象に残っているのが、世界最北のラップランドで炭鉱が廃坑になり失業した男が”ほっかむり”をして雪風を避けながら、オープンカーのキャデラックで、とにかく南に向うシーンである。
「真夜中の虹」の冒頭に近いシーンだ。

一生懸命に生きているのに人生がどんどん下降していく、それでももがきながら夢を追い続ける。いいなぁ。

この映画を観たときの率直な感想は、フィンランドという最果ての国の不幸はどうしようもないなということ。
カウリスマキの他の映画だったけど、家に帰った男が靴のままで適当な食事をしてそのまま寝るシーンにフィンランドとうい国が陥った総合的な貧しさを感じたものだ。

しかし、あれから20年、一人当たりのGDPでは日本はフィンランドに抜かれている。
人生と同じように、国だって浮いたり沈んだりする。
だからこそ、僕らも雨の中でもオープンカーで走り続けなければならないのかもしれない。

まさむね

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