富田靖子の「BU・SU」は僕が最高に好きな映画の一つだ。
致命的な母子関係に陥ってしまった娘。田舎を出て、東京神楽坂の芸者見習いになる。
しかし、その置屋でも、そして通い始めた学校でも周囲に溶け込めない。
この映画はそんな彼女(麦子)と世間との緊張感と、それが解けていく、いわゆる成長の物語である。
BUSUというのは、おそらく、不細工という意味ではなく、無表情という意味だ。
麦子が映画の中で最初に笑うのは、中学の時に分かれた友人のアパートに行って、彼女が生んだ赤ちゃんを見るシーン。これだけ笑顔を待たせるアイドル映画というのも凄い。
クライマックスで、麦子は学園祭で、母親がかつて演じたという八百屋お七に挑戦するが失敗する。
しかし、失敗することによって自分の中の何かが変わる。
それが成長。
そして、人生そんなもんだと思う。
これは友達に勧められた観た映画だ。
いい友人というのはいい映画を勧めてくれる人、多分、これは間違っていない。
ビデオで最低5回は観た。
まさむね