ABBEY ROAD

ABBEY ROAD

TOCP-51122
1969年9月26日発売(英)

●ビートルズ最後のセッションとなる。
●RIAA(全米レコード協会)によると全米で1,200万枚を売り上げた。
●全世界での売上2,000万枚以上。ビートルズのアルバムでは最高を記録。
●ポールの裸足、横断歩道の後ろの車のナンバーがIF28(もし、生きていれば28歳)というようなことからポール死亡説が起きた。
●20世紀後半で最高のミュージカル・ファンタジー(中村とうよう氏)

Abbey RoadのジャケットはEMIのアビーロードスタジオから出て、その前の横断歩道を横切る4人。このジャケ写も、「ビートルズの最後だよ」っていう演出になっている。

もともとエベレストっていうタイトル名が考えられていて、ヒマラヤでの撮影も検討されていたというが、メンバー一同、面倒ッ臭いってことで却下。近所で撮影すればいいじゃないかって、(Why don’t we do it in the road?)ことで、スタジオ前の横断歩道で撮影された。当時、4人の心はバラバラだったというが、これが最も有名なジャケット写真になるんだからやっぱりビートルズは凄い。っていうかこの現場運は並みのものじゃないよね。自分達の身の回りに起きる事件、スキャンダル、偶然を全て自分達の味方に引き込むビートルズという巨大なエネルギーマグマ。ビートルズを楽しむということは、そのエネルギーに触れる事かもしれない。

すでに、バラバラになっていた4人が最後のアイデアと意地を振り絞って作ったのがこのアルバム。A面は、それぞれの個性のぶつかり合い、B面はメンバーの力が一つにまとまったメドレーが秀逸。ジョージ・マーティンのプロデュースの才能も頂点を極める。

ジョンのCome together(みんな集まれ!)の一言で、メンバーが集まって、“The end(最後)”を演出したとも言われたけど、真実はわかりません。残ったのはこの素晴らしいアルバム。僕たちはただ、謙虚に耳をかたむけるしかないよね。

Come Together
★★★★★


◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1969/7/21,22,23,25,29,30

●もともとドラッグ研究家のティモシー・リアリーのカリフォルニア州知事選挙出馬への応援ソングとして書かれた。
●その昔、みのもんたが文化放送でやっていた同名のラジオ番組のテーマ曲だった。
●チャックベリーの「You can’t catch me」との盗作問題が起きた。
●ジョンのシュッが実は、Shoot me俺を撃て」で、後からmeを削除した。ただ、ところどころでmeの残痕が聞こえる。


さすが、ジョン。貫禄のロックンロール。って言うほど、ノリはよくないけど、僕が大好きな1曲だ。
リンゴのドラムもポールのベースもジョージの甲高いギターも存在感あるよな。

でもなんと言ってもジョンのボーカルは神。

ゲットバックセッションで散々な目にあったメンバーだが、恐らく契約がまだクリアしていなかったんだろうな。再度、アビーロードスタジオに集まって、いやいやながら曲作りを始めたんだ。リーダージョンのCome togetherの掛け声でみんなやるときはやるって感じの演奏を聞かせてくれているね。って収録の順番から考えるとこれは嘘だが、この曲順を考えれば、リスナーにはそう思わせようとしたっていう面はあるんじゃないの。

歌詞は、Come togetherみんな集まれ」って言いながら、自分のことを歌っているような気がする。自意識過剰なジョン。

1)He got joo-joo eyeball
目をギョロギョロさせている

このjoo-jooってGet backのJo-Joと重なるよね。やっぱりJo-Joってジョン。

2)Got to be a joker he just do what he please
ジョーカーになり、好きなことしかやらない。

僕は、ベッドインなんかで散々笑いものになったジョンの事を自分でJokerっていってるんだろうと思う。勿論、好きなことしかやらないのもジョンの特徴だし。

3)He got monkey finger he shoot coca-cola
ここでいうmonkeyは猿って意味じゃない。ヘロインだ。coca-colaだって、スカっとさわやかなもんじゃないコカインだ。(※ある意味ではさわやかなのかもしれんが、僕は知らん。)これもジョン自身のことだよ。

4)He bag production he got walrus gumboot He got Ono sideboard
奴は世間に袋をばらまく セイウチのゴム長靴をはく “オノ”のサイドボードを備える

こんな風に直訳しても意味わかんないよね。ココで言うバッグプロダクションっていうのは、ジョンとヨーコが設立したアーティストのための会社名、それはバギズム(大きなズタ袋に入って言いたいことを言う運動)ってこととも関係している。

また、セイウチってのはジョンのシンボル。Gumbootゴム長)ってのはコンドームの隠喩。オノを横に従えてってこれはジョン自身のことでしょ。そのままさ。
だから、最後にこう言うのさ。

Come together right now over me
俺の上で 今すぐ、一緒にイけ!!

アビーロードジャケットの、白いスーツにバスケットシューズで颯爽と4人の先頭を切って歩くジョンの姿に当時、最高のクールをあこがれた団塊日本人って沢山いたんじゃないかな。

※ComeTgetherの歌詞に関しては、以下、卓見の解説が存在しています。ご参照ください。
「Come Togetherの歌詞を読み解く」(ビートルズ・・・いつも心にビートルズ)

ビートルズで最もカッコいいといったらこの曲。

Something
★★★★☆


◆(George) V=George 収録日=1969/5/2,5,7/11,16,8/15

●イエスタディに続いて、カバー曲が多いビートルズナンバー。
●スモーキー・ロビンソンやジェイムス・ブラウン、レイチャールズもこの曲をカバー。
●フランクシナトラもこの曲をカバー。ただ、シナトラはこの曲をレノン=マッカートニー作だと思っていた。ジョージ、微妙にショック。
●後にマイケルジャクソンからもこの曲はレノン=マッカートニー作だと思っていたと言われ、ジョージさらにショック。


誰しもが(多分ビートルズファンの90%位)同意するジョージ・ハリソンのビートルズ時代3大名曲の1曲(残りは、While my guitar gently weepsHere comes the sun)の一つだ。 「ジョージの作品ではポールはベースプレイで張り切るの法則」が当てはまり、彼のベースはリードギター以上にメロディアスである。
同様に、リンゴも張り切りなかなかのドラミングを聴かせてくれる。

一方、ジョンもアコスティックギターで参加するが、その上からジョージが音をかぶせ、ジョンののギター音を消したという。 にもかかわらず、ジョンは「Somethingはこのアルバムの中で一番良い曲だと思う。本当にね。」と言っている。彼らの関係はよくわからん。

歌詞はいかにも慎み深いジョージらしい。

Something in the way she moves
Attracts me like no other lover

彼女の仕草がかもし出す不思議な魅力がほかのどんな恋人よりも僕を惹きつける

Something in the way she woos me
I don’t want to leave her now
You know I believe and how

愛してとせがまれれば嫌とは言えないよ
彼女のそばを離れられない それでいいと感じるんだ

She loves you Yeh Yeh Yeh から比べると格段の表現の進歩だ。といいたいところだが、このまどろっこしい言い方はどうだ。もっとも、そこがジョージの魅力といえば魅力なのだが。

ジョージ・ハリソン、生涯の代表曲。

Maxwell’s Silver Hammer
★★★☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1969/7/9,10,11,8/6

●ポールの脳天気かつシュールな1曲。
●マザーグースにも、母親と父親を斧で殴る歌があるが、そこからの発想引用。
●LPの背表紙では、この曲がSomethingより前にクレジットされていた。
●ポールが強引にシングルのしようとしたが出来なかったらしい。


Maxwellが振り下ろすSilver Hammerとは象徴的に「人生の突然の転落」を暗示しているとポールは言っている。

アンドレ・ブルトンは、「シュール・レアリズム宣言」で「シュールレアリズムは、例えば、白昼のビル街にダイナマイトを仕掛けて、日常現実を転覆するようなものだ」と述べた。シュールレアリズムってのは超現実と訳されて、現実的ではないものと思われているけど、時として、シュールな出来事は我々を不意に襲う。そういう瞬間こそが逆にいえば現実的だっていうのがシュールレアリストなんだろうね。

でも、最近、ここで言う意味でのシュールな事件が本当によく起きるけど、犯人達が最後に手にするものが悲観的な観念ナイフじゃなくて、想像力楽天性だったら、どうなっていたんだろうかと思わざるを得ない。

この歌の一番にPataphysics(パタフィジックス)っていうのが出てくるけど、これはアルフレッド・ジャリの空想科学のことだ。(おれは大学の頃、仏文科のA君によく聞かされていた。彼はパタフィジカル学会というのを勝手に作っていて僕は無理やり会員にさせられた。まぁ内容はよくわからなかったが。
ポールはここでPataphysics(パタフィジックス)という単語を出す事によって「この曲はシュールな曲ですよ」ってことを暗示しているんだな。
ただ、僕が持っているLPの歌詞カードでは、Pataphysicalではなく、by the physical となっていた。だったらどう訳すんだろう?ちなみに、他にP.C.31は、B.C.31となっていた。これもどう訳せばいいんだろう?紀元前31世紀ってことかってつっつこんでみたくもなる。当時は訳は耳で聞き取ってたんだね。さらに、訳の真意なんてそんなに気にしない時代だったんだろうね。

実はこの曲、別のエピードがある。ジョンはこの曲を特に嫌っていたのは、Maxwellにハンマーで殴られるのは自分のことではないかと妄想していたというのだ。すなわちポールが自分のことを殴るのではないかとおびえていたということだ。ドラッグって怖いね。

シュールな歌詞とポップなメロディの絶妙なアンバランス。

Oh! Darling
★★☆☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1969/4/20,26,7/23,8/8,11

●井上陽水の「クレイジーラブ」や10CCの「DONNA」、沢田研二の「おまえがパラダイス」等にパクられている。
●ポールは、この声を出すため、毎朝スタジオに早く来て歌い、声をあえて枯らしたという。


ジョンは自分に歌わせてもらえればもっと上手く歌えたのにと愚痴ったといわれている。
たしか、Why don’t we do it in the roadの時も参加させてもらえなかった言っていじけたジョン。逆にFor you bluesGet backでリードソロを嬉々として弾くジョン。
こういったジョンの感情の動きを今から検討してみると、逆に、ビートルズというユニットに対して最も親密性を求めていたのはジョンだったんじゃないかと思う。
折角なんだから、ジョンに対して、ただのコーラスじゃなくて、もっとからみの強いパートを用意してあげればよかったのに、Don’t let me downでジョンがポールにしてあげたみたいにさ。

「のっぽのサリー」に勝るとも劣らないポールの絶叫曲。

Octpus’s Garden
★★★☆☆


◆(Ringo) V=Ringo 収録日=1969/4/26,29,7/17,18

●リンゴのビートルズ時代2曲目の作詩作曲。
●前奏のギターはジョージのテクが冴える。


この曲はビートルズメンバー達のいざこざを避け、そんなトラブルの無い海の下で暮らしたいという夢想を曲にしたっていうリンゴ精一杯の反抗ソングと言われた。

確かにこの歌詞は聞きようによっては結構辛らつではないか。
We would be so happy you and me
No one there to tell us what to do

も僕もうんとハッピーになれるだろう
あれこれ指示する奴はいないのさ

これを聴いた時、どう思ったのか。ポール。

楽曲的には、ジョージのギターの音色がいいよね。そういえばLet it be(映画)の中で、この曲のリンゴの作曲を手伝ってあげるジョージの姿があったな。
この歌での“も僕もうんとハッピーになれるだろう”の””っていうのはジョージのことだったんじゃないか。リンゴ。

ビートルズ時代のリンゴの代表曲。彼の人柄がそのまま曲になってます。

I Want You[She’s So Heavy]
★★★☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1969/2/22,4/18,20,8/8,11

●エンディングのノイズはジョージのムーグ・シンセサイザー。
●ジョンがヨーコに対して歌った歌。


ポールがMaxwell’s Silver Hammerでシュールレアリズムを歌詞で表現したのに対して、ジョンは音で表現。 僕的には、ジョンのセンスの圧勝と見るがいかがか。衝撃のエンディングは、そのままジョンの感情(怒り?)を表している。人生の突然の転落をこの曲ほど表現できているものは無いな。もっとも、このエンディングを突然の射精のメタファだと言った友達がいたけど、それはそれで納得出来る説だ。

さて、このエンディングの衝撃を味わうためには、真剣にこの曲と向き合う事が大事だ。BGMとして聴いたんじゃその衝撃は無い。 この曲を聴くときはヘッドフォンで最高に集中してことをよく覚えておくように。

ちなみに、その昔ドリフターズの「ちょっとだけよ」ギャグの時にかかっていた曲はこの曲のパクリだろ。志村けんのバカ殿登場にはBirthdayが使われていたし、アイーンだってジョンの真似だって事、僕は知ってるんだぞ。(※バカ殿メイクは寺山修司の「田園に死す」のパロティ?)日本武道館公演で、ビートルズの前座だったドリフターズ。いろんなところにビートルズの影響受けてるんですよね。

その題名の通り、ビートルズの曲で最も重い曲。エンディングは衝撃的。

Here Comes The Sun
★★★★★


◆(George) V=George 収録日=1969/7/7,8,16,8/6,11,15,19

●ジョージがアップルの会議をサボり、クラプトンの家で日向ぼっこをしている時に作曲。
●ジョンは不参加。


絵に描いたような名曲だな。
太陽が出てくるよ~っていうのを楽観的に歌い上げるジョージ。ビートルズ時代のジョージの中でもっとも屈託がない曲だ。
「ホラホラ、お陽様が出てきたよ」っていうように、太陽を擬人化しているところが、インド哲学の影響をほのかに(露骨じゃなく)うけてるところがいいよね。

ジョージが生み出した奇跡の名曲。

Because
★★★☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=John,Paul,George 収録日=1969/8/1,4,5

●ヨーコが弾くベートーベンの月光の曲を逆さから弾いてもらいそれを曲にしたという(誰か試した人いるんでしょうか)。
●オープニングはジョージのムーグ・シンセサイザー。
●3人×3回のコーラスからなる。(リンゴはコーラスは不参加)
●僕の中学校の時の下校の音楽だった。


Because the sky is blue, it makes me cry
Because the sky is blue

空が青いから僕は泣きたくなる
なぜって 空が青いから

おそらくビートルズの曲の歌詞の中でも最も美しいフレーズだと個人的に思うな。「太陽がまぶしかったから」とムルソーに言わせたカミュとか「自然は限りなく美しく永久に住民は貧窮していた」と詠んだ伊東静雄をなんとなく思い出させるよね。
ビートルズの崩壊っていう現実を目の前にしてポールはLet it beと歌ったのと同じように、ジョンは「空が青いから」ってそう歌ってるような気がするのは僕だけか。

「青空が僕を泣かせる」って歌詞に泣かされる曲。

You Never Give Me Your Money
★★★★☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1969/5/6,7/1,11,15,30,31,8/5

●アップルの新マネージャー、アランクレインを皮肉った歌。


曲はかなり美しいのに、何で歌詞がこんなに現実的(露骨)なんでしょ。名曲への道をみずから放棄したっていう点でものすごく潔い曲だと思うね。

You never give me your money
You only give me your funny paper and in the middle of negotiations you break down

あんたは僕に金をよこさない
変てこな紙切れをよこすだけ
交渉をはじめると その真っ最中にあんたはつぶれちまう

あまりにも歌詞が現実とそのままなんで、よくこれをみんな受け入れたな。(アラン・クレインをマネージャーにすることに関しては、ポールだけ反対したという経緯がある)喧嘩にならなかったのか。
僕はずっと不思議なんだけど、ビートルズってお互いがお互いのことをけっこう辛らつな批判している。
それをみんなで演奏しているんだよね。ってことは、ビートルズにとってあらゆることはシャレってことなんだろうか。普通、もめたら、そんなことを外に歌として発表しないでしょ。

One sweet dream
Pick up the bags and get in the limousine
Soon we’ll be away from here
Step on the gas and wipe that tear away

荷物をかかえてリムジンに乗り込むんだ
じきに僕らはここからいなくなる
愉快な生活をスタートさせて涙を忘れるんだ

そして、これなんか、今にもポールが僕、もうやめるよって言っているようなもんじゃないのか。えっえっ?

そしてエンディングは

1 2 3 4 5 6 7
All good children go to heaven

よいこはみんな天国へ行ける

さて、ジョンとジョージは天国へいったのだろうか?

最初のメロディから展開部、そしてエンディング。ポールの引き出しの多さに脱帽。

Sun King
★★☆☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1969/7/24,25,29

●途中のスペイン語風のところは、実はメチャクチャな歌詞。


前の曲とのつなぎにコオロギの鳴き声がするよね。
昔、何かの本でコオロギの鳴き声を秋の季節感とともに、楽しめるのは日本文化のおかげみたいなことを読んだんだが、それは本当なのだろうか、とこの部分のコオロギの鳴き声を聴いて思ったな。
それとも、ジョンは当時、日本文化に興味を持っていたから敢えて入れたんだろうとも思ったが、実際にこの部分のテープはポールが用意したらしい。

ジョークとコーラスの見事な融合。

Mean Mr.Musterd
★★★☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1969/7/24,25,29

●1968年5月のデモテープ(通称イーシャデモ)にすでに録音されていた。


もともと、この曲の後に、Her Majestyが、その後にPolythene Pamが来る予定だったという。

Takes him out to look at the Queen
彼女(Pam)は奴(Mr.Musterd)をつれて女王を見に行く

ここでQueenを見に行ったところで、HerMajestyになるんだったんだよね。多分。
でも、Her Majestyが無くなったっていうから、妹の名前ももともとシャリーだったのをパンに変えたんだ。次のPolythene Pamとの繋ぎを考えてね。ジョンはメドレーにあんまり興味ないと言ってるけど、実は結構、協力的だったりするんだよね。

ちなみに、Takes him out to look at the queenの1行は、金の匂いのするところに連れて行くとも訳せる。イギリスの札にはみんな女王陛下の肖像が描いてあるところから発生した隠喩(Queen=お金)だ。Panney LaneHer Majestyにも女王が出てくるから、そこでも、こういったダブルミーニングを楽しむ事が出来るよ。

楽曲的に面白いのは、タンバリンの入り方、7拍目から入ってくるのだ。Your mother should knowのハイハットの入り方と、TaxManのタンバリンの入り方と3つ揃えて、「3大ビートルズ打楽器不思議フィルインタイミング」と名付けよう。

ジョンらしいといえば、最もジョンらしい曲の一つ。

Polythene Pam
★★★★★


◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1969/7/25,28,30

●1968年5月のデモテープ(通称イーシャデモ)にすでに録音されていた。
●実際にポリエチレンを身に付けていた女の子を歌詞の題材にした。


前の曲から引継ぎ、次の曲へつづく。完璧に役割を果たすのがこのPolythene Pamだ。アンソロジーでのバージョンがなんだかゆっくりで魅力的じゃないのに、ここに入ると完璧になる。
このあたりにビートルズマジックを感じるよね。たいていの曲が、没テイクではゆっくりなのをスピードアップすることによって完成テイクにする。さすがビートルズだ。

歌詞を少し見てみよう。

She’s so good-looking but she looks like a man
きれいな娘だけど男みたいなのさ
Well you should see her in drag dressed in her polythene bag
彼女の風変わりな格好をみろよ ポリエステルの袋を着ている
Yes you could say she was attractively built.
うん、いい体をしていると思うだろ

男みたいで、しかも、袋に入っている(バギズム)女って、これはヨーコのことじゃないか。

アーティスト・ジョンは、こういう風に、いつの間にか、作品の中に、個人的なこだわりフレーズを入れちゃう(公私混同しちゃう)んだよね。正直な芸術家ジョン、万歳!!

アビーロードB面メドレーのキモになる名曲。

She Came In Through The Bathroom Window
★★★★☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1969/7/25,28,30

●実際、ポールの家にコソ泥が入り、父親の写真を盗んでいったという。


この歌のSheって誰のこと?発売当時から話題になった。

実際にポールの家に入った女泥棒を題材にしたとも言われたが、ジョンは、窓から入ってきたのはリンダかもしれない。って言ってた。でもそれはヨーコじゃないかってのが多くの評論家たちの定説。

彼女は結構いい家のお嬢さんだ。Protected by a silver spoon生まれのよさに守られて)っていうからね。

確かにヨーコは安田財閥の家筋、祖父は、日本興業銀行の頭取だった人だ。ジョンがどこかで言ってたんだけど、二人で話しをしている時、メイドさんが入ってくるんだって、ジョンはメイドさんに聞かれたらはずかしいってんで声のトーンを落とすんだって、でもヨーコは変わらない。結局、メイドを人間としてみるか、道具としてみるか、それが上流階級か、労働者階級かってことらしい。こういうのってもう「育ち」として身についている作法だから、フとしたところに出ちゃうんだろうな。

この曲で面白い1行は以下だ。

And so I quit the police department
And got myself a steady job

そこで僕は警察を辞め、地道な職業についた

警察官こそ、地道な職業だろって思うんだけどさ。ポールの感性じゃあ違うんだろうな。あるいは、当時、全世界的な学生運動があり、警察官は悪者の代表みたいに言われていた時代でしょ。
だから、こういった歌詞になるのかな?ここで言ってる地道な職業ってのは、何だろう?もしかしたら、デイリーメイルの記者(Paperback writerを意識)かな?

ジョージ独特のギターの名演が聴ける。

Golden Slumbers
★★★☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1969/7/2,3,4,30,31,8/15

●16世紀の作家のトーマス・デッカーに作られたGolden Slambers Kiss Your Eyesという詞にポールがメロディをつけた。
ビートルズ自体がGolden Slumbers(黄金のうたた寝)中に見た夢なのか?


この曲から、段々、クライマックスに向かっていく。何のクライマックスかって言えば、それはこのアルバムのエンディングに向かうと同時に、ビートルズのクライマックスに向かってさ。

Once there was a way to get back homeward
かつてそこには故郷に続く道があった

これを聴いただけで、気の早いリスナーはこの故郷っていうのは、ビートルズ、そしてみんなが仲良かった時代って考えちゃうよね。The Long And Winding Roadと同じようなコンセプトだってね。

でも決定的に違うのは、The Long And Winding Roadはまだ、現在形だけど、Golden Slumbersではすでに過去形になっている。しかもOnceなんてついてたりして、そこがまた更に悲しいところだよね。

ついにビートルズ終焉への序曲がはじまる。

Carry That Weight
★★☆☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul,George,Ringo 収録日=1969/7/2,3,4,30,31,8/15

●ジョンは不参加。スコットランドでヨーコと交通事故を起こして入院していた。


Boy, you’re going to carry that weight
Carry that weight a long time

君はその重荷を背負っていくんだ。これから長い間ずっと

はて?これは誰に向かっていっているんだろうか。ポール自身か、それともメンバーを含めた全員か、あるいは僕たちリスナーに対してだろうか。
なんだか、おとぎ話で魔女かなんかに宿業を言い渡される時のセリフだよね。想像力を豊かにするならば、このThat Weight(重荷)っていうのは、自分達がビートルズだったっていう事実の事かもしれない。今後、ビートルズが解散してそれぞれがソロ活動をしたとしても、ビートルズっていう重荷はみんな背負っていかなきゃいけないんだよ、っていう一つの予言みたいなものかもしれないね。

でも3人(ジョン以外)の合唱はやけに明るいんだよね。特にリンゴの野太い声が大きく目立つんだよね。
また、You neverと同じフレーズがまた出てくるんだ。まるで宝塚歌劇みたいにさ。B面のトータルのイメージを出そうとしたポールの演出。素晴らしい。

みんなのコーラスがとっても楽しそうな曲。ジョン不在は残念。

The End
★★★★★


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1969/7/23,8/5,7,8,15,18

●ギターバトルは、ポール、ジョージ、ジョンの順番。


And in the end
The love you take Is equal to the love you make

そして結局 君が受ける愛は君がもたらす愛に等しい

全世界に愛を訴え続けたビートルス。そのビートルズが最後に残した言葉。なんだか呪文のような教訓のような諺のようなこの1行。
熱狂とともに、はじまり、混沌と共に終焉を迎えたビートルズ。今から35年も前のこととは思えないほど、僕たちの興味を引き続ける。

そしてこらからもずっと僕たちにとっての神話であり続けるんだろうと思う。

実は、ギター、ドラムス、そして「物語」を含めてビートルズ最高の演奏。

Her Majesty
★★★☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1969/7/2

●本来、メドレーに入れようとしたが没になった曲をエンジニアがテープの最後につけていた。それを偶然に、ポールが聴き、OKをだしたことによって、日の目を見る。
●ポール、エリザベス女王即位50周年記念祭で女王の目の前でこの曲を演奏。


Her Majesty’s a pretty nice girl but she doesn’t have a lot to say
Her Majesty’s a pretty nice girl but she changes from day to day

女王陛下はとってもいい娘 だけどたいした意見を持っていない
女王陛下はとってもいい娘 だけど日によってコロコロ変わる

I want to tell her that I love her a lot but I gotta get a bellyful of wine
すごく好きだよって言ってあげたい でもその前にワインをいっぱい飲まなきゃね

Her Majesty’s a pretty nice girl
女王陛下はとってもいい娘

someday I’m going to make her mine, oh yea,someday I’m going to make her mine.
いつの日か僕のものにしてみせる いつの日か僕のものにしてみせる

短いんで全部書いてしまいました。

ここで一つ邪推。Her Majestyとは本物の女王ではなく、紙幣(お金)のことではないか。
お金は自分ではしゃべらないけど、日によってその価値はすぐに変わる。そんなお金をいつか、いっぱい稼ぎたい、そんな歌にも読める。かな?

ビートルズの最後っぺみたいな曲。それでも名曲。

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